エアコンを止めるとすぐ暑くなる家の原因とは?住宅の断熱・気密・日射の関係
エアコンを止めた途端に暑くなる家
冷房を止めると、ものの数十分で部屋が蒸し暑くなる。だから止められず、つけっぱなしにしている。夏になると、こうしたご相談をいただきます。
エアコンの性能が落ちているのではないか、能力が足りないのではないか、と考えられる方が多いのですが、多くの場合、原因は住宅側にあります。断熱、気密、日射の三つが関わっています。
入ってくる熱の量が多い
冷房は、部屋から熱を外に運び出す機械です。入ってくる熱より多く運び出せれば室温は下がり、釣り合えば一定に保たれます。エアコンを止めると、運び出す側がゼロになります。
このとき、入ってくる熱が多い住宅ほど、室温は速く上がります。断熱が弱い住宅では、外の暑さが壁や天井を通してどんどん入ってきます。止めた途端に暑くなるというのは、入ってくる熱の量がそれだけ大きいということです。
逆に、断熱がしっかりしている住宅では、冷房を止めても室温はゆっくりとしか上がりません。同じ外気温、同じエアコンでも、家が違えば結果は変わります。
窓から入る日射が大きい
夏に入ってくる熱のうち、最も大きな割合を占めるのが窓からの日射です。壁や屋根が熱を伝えるのに時間がかかるのに対し、日射は窓を通って瞬時に室内へ入ります。
築25年から35年ほどの住宅に多いアルミサッシと単板ガラスの窓には、日射を抑える機能がありません。日が当たっているあいだ、熱が入り続けます。南向きの大きな窓、西向きの窓がある部屋では、この影響が特に強く出ます。
カーテンを閉めれば少しは和らぎますが、日射はいったんガラスを通って室内に入っています。カーテン自体が熱くなり、そこから部屋へ熱が広がります。窓の外側で遮るほうが効果が大きいのは、このためです。
気密が低いと、湿気が入り続ける
夏の不快さは、温度だけでなく湿度によっても決まります。
エアコンは、室温を下げるだけでなく、空気中の水分を取り除くためにも電力を使っています。隙間が多い住宅では、外の湿った空気が入り続けるため、除湿にかかる負担が大きくなります。
冷房を止めると、この湿気がすぐに戻ってきます。温度がそれほど上がっていなくても蒸し暑く感じるのは、湿度が先に戻るからです。設定温度を下げてもじめつきが取れないという感覚も、ここから生まれます。
建物にたまった熱が出てくる
もうひとつ見落とされやすいのが、建物そのものが持っている熱です。
日中に日射を受けた屋根、外壁、そして室内の床や壁、家具は熱を蓄えています。冷房を止めると、冷たい空気による相殺がなくなり、蓄えられた熱が室内に放出され始めます。
人が感じる暑さは空気の温度だけで決まりません。天井や壁の表面温度からも影響を受けます。室温がまだ28度でも、天井が32度あれば暑く感じます。止めた直後に温度計以上の暑さを感じるのは、この放射によるものです。
エアコンを買い替えれば足りるのか
よくいただくご質問です。能力の高い機種にすれば、確かに室温は下がりやすくなります。効率の良い新しい機種であれば、同じ冷やし方でも電気代は下がります。
ただ、入ってくる熱の量が変わらない限り、止めればまた暑くなるという状況は変わりません。運転時間が長い状態も続きます。買い替えは無駄ではありませんが、それだけでは根本的な解決になりにくいところです。
入ってくる熱を減らしてからエアコンを考えると、小さな機種でも足りるようになり、運転時間も短くなります。順番としては、住宅側を先に見るほうが結果的に費用を抑えられます。
つけっぱなしと、こまめに切るのはどちらがよいか
断熱が弱い住宅では、こまめに切ると室温が速く上がり、次に入れたときに大きな電力を使います。結果として、つけっぱなしのほうが安くなることがあります。多くの方が経験的にそうされているのは、理にかなっています。
ただし、これは住宅の性能が低いことへの対処であって、望ましい状態ではありません。断熱と気密を整えた住宅では、止めても室温がゆっくりとしか上がらないため、使い方の選択肢が広がります。
改善の順番
費用に対する効果を考えると、手をつける順番があります。
まず、窓の外側で日射を遮ることです。外付けのシェードやすだれであれば、比較的少ない費用で始められます。入ってくる熱の量そのものを減らせます。
次に窓の性能です。内窓の追加は、夏の日射だけでなく、冬の寒さや結露にも同時に効きます。
そのうえで、天井や屋根の断熱、隙間の処理と進めます。二階が特に暑い住宅では、天井の断熱のほうが先になることもあります。
どこが一番弱いかは住宅によって違います。午後のリビングが暑いのか、二階の寝室が夜まで暑いのか、じめつきが取れないのか。症状から原因はある程度絞り込めます。
静岡の住宅でのご相談から
静岡市・焼津市・藤枝市は、夏の日照時間が長く、湿度も高い地域です。南向きの土地が好まれ、南面に大きな開口をとった住宅が多く建てられてきました。日当たりの良さが夏には裏目に出ることがあります。
また、この地域では冬の寒さのご相談で伺った住宅が、夏は夏で暑いというケースがよくあります。断熱と気密は夏冬の両方に効くため、一度の工事で二つの悩みに手が届きます。
まとめ
エアコンを止めるとすぐ暑くなるのは、入ってくる熱と湿気の量が多く、建物にたまった熱が放出されるためです。機械の性能というより、住宅側の条件によって決まります。
買い替えや能力の増強より、日射を遮る、窓の性能を上げる、天井を断熱する、隙間をふさぐという順で進めるほうが、体感も電気代も変わりやすくなります。
今の住まいのどこが弱いのかを確かめるところからご相談ください。夏の暑さと冬の寒さは、同じ工事で一緒に改善できることが多くあります。
静岡市・焼津市・藤枝市でリフォームのご相談を承っています
住まいの寒さや暑さ、結露、光熱費、間取りの使いにくさ。こうした困りごとには、住宅側に原因があることがほとんどです。原因がはっきりすれば、手の打ちようはあります。
断熱改修、耐震改修、水回りリフォーム、間取りの変更、中古住宅のリノベーションまで、住宅の性能と日々の暮らしやすさの両方を見ながらご提案しています。何から考えればよいか分からないという段階でも構いません。まずは今の住まいの状態を整理するところからお手伝いします。その場で契約をお願いすることはありません。
かおり木工房(有限会社DAMソウショウ建築)
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