南向きの窓が多い家の落とし穴とは?夏に暑くなる理由とリフォーム対策
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南向きの窓が多い家の落とし穴とは?夏に暑くなる理由とリフォーム対策

南向きの家が夏に暑すぎるのはなぜか

南向きの家、日当たりの良いリビング。住宅の広告でよく見かける言葉で、家を探すときの条件にあげる方も多いところです。ところが実際に住んでみると、夏のリビングが暑すぎる、午後になると室温がどんどん上がる、エアコンが効かないという声が出てきます。

南向きが悪いわけではありません。南向きの窓は、条件が整えば冬に太陽の熱を取り込み、夏はその熱を防げる、住宅にとって最も扱いやすい向きです。問題は、その条件が整っていない家が多いことです。

南向きの窓が多い家が夏に暑くなるのは、窓が熱の入口になっているためです。壁や屋根に比べて、窓から入ってくる熱の量は桁違いに大きくなります。南向きに大きな窓がある家は、それだけ大きな入口を持っていることになります。

太陽の高さが夏と冬で違う

南向きが本来有利とされるのは、太陽の動きに理由があります。夏の太陽は高い位置を通り、冬の太陽は低い位置を通ります。静岡あたりの緯度でいえば、夏至の南中高度はおよそ78度、冬至はおよそ31度です。

夏の日射は上から降りてくるため、窓の上に庇があれば手前で遮ることができます。冬の日射は低い角度で差し込むため、同じ庇があっても室内の奥まで入ってきます。この差を利用して、夏は遮り、冬は取り込むという考え方を、日射遮蔽と日射取得と呼びます。

つまり南向きの窓は、遮る仕掛けがあって初めて有利に働きます。仕掛けがないまま大きな窓だけがある状態は、冬のメリットより夏のデメリットが大きく出ます。

暑くなる家に共通していること

庇やバルコニーがない、または浅い

近年の住宅はデザイン上の理由から庇を小さくしたり、なくしたりすることがあります。既存の住宅でも、庇はあるものの奥行きが足りず、夏の日射を遮りきれていないことがあります。二階のバルコニーが一階の窓の庇代わりになっている家は、一階は守られていても二階の窓が無防備、ということが起こります。

窓の性能が低い

築25年から35年ほどの住宅に多いアルミサッシと一枚ガラスの窓は、熱を通しやすい性質があります。日射そのものを防ぐ機能もないため、入ってきた熱がそのまま室内にたまります。ガラスが熱くなり、窓のそばにいるだけで暑く感じるのはこのためです。

入った熱が逃げ場を失っている

日射で暖まるのは空気だけではありません。床、壁、家具が熱を蓄えます。日が傾いてからも部屋が暑いままなのは、蓄えられた熱がゆっくり放出されているからです。断熱が弱い家では、屋根や西壁からの熱もこれに加わります。

西側の窓が見落とされている

南向きを気にする方は多いのですが、実は夏の午後に厳しいのは西側です。夕方の低い西日は、庇では防げません。南面の対策をしても夕方の暑さが残る場合、原因は西側にあることがあります。

カーテンやレースでは足りない理由

暑さ対策として、まずカーテンや遮熱レースを思いつく方が多いと思います。手軽ですが、効果は限られます。

理由は、熱を防ぐ位置にあります。カーテンは窓の内側にあるため、日射はいったんガラスを通って室内に入ってきます。入ってしまった熱をカーテンが受け止めても、その熱はすでに部屋の中にあります。カーテン自体が熱くなり、そこから部屋に熱が広がります。

一方、窓の外側で遮れば、熱が入る前に止められます。同じ日射でも、外で遮る場合と内で遮る場合では、室内に入る熱の量が大きく変わります。暑さ対策で外側が優先されるのは、この違いによります。

リフォームでできる対策と優先順位

費用と効果のバランスを考えると、手をつける順番があります。建物の状態によって変わりますが、一般的な考え方をお伝えします。

最初に検討したいのが、窓の外側で日射を遮る方法です。外付けのシェードやすだれ、アウターシェードと呼ばれる製品があり、比較的少ない費用で始められます。使わない季節に収納できるものを選べば、冬の日射取得を邪魔しません。庇を後付けする方法もありますが、外壁を触る工事になるため、費用は上がります。

次に窓そのものの性能です。内窓を後付けする、あるいはサッシごと交換する方法があります。日射を防ぐ効果のあるガラスを選べば、夏の熱の侵入を抑えられます。内窓は一日で施工できることが多く、冬の寒さや結露にも同時に効きます。ただし、日射を遮る効果は外付けのシェードほど大きくはありません。

そのうえで、屋根や天井の断熱を見直します。二階が暑い家では、窓よりも屋根からの熱のほうが大きいことがあります。窓の対策をしても二階の暑さが変わらない場合、原因はこちらにあります。

なお、冬の暖かさまで考えるのであれば、日射を完全に遮ってしまう選択はおすすめしません。夏だけ遮り、冬は取り込めるようにしておくことが、年間を通した快適さにつながります。

静岡の住宅で気をつけたいこと

静岡市・焼津市・藤枝市は、夏の日照時間が長く、気温も上がります。南向きの窓が大きい住宅では、午後のリビングが使いものにならないというご相談を毎年いただきます。

また、この地域では南向きの土地が人気で、南面に大きな開口をとった住宅が多く建てられてきました。建てられた当時は日当たりの良さが優先され、夏の日射をどう防ぐかまでは考えられていない住宅も見受けられます。

エアコンの能力を上げる、台数を増やすという対処もありますが、熱が入り続けている限り電気代はかさみます。入口をふさぐほうが、結果的に費用は抑えられます。

よくいただくご質問

遮熱フィルムを貼れば解決しますか

ガラスに貼るタイプの遮熱フィルムは、日射を減らす効果があります。ただし窓の内側での対策になるため、外付けのシェードほどの効果は見込めません。また、複層ガラスに貼ると熱割れの原因になることがあり、製品と窓の組み合わせに注意が必要です。既存の窓の種類を確認したうえで判断してください。

南向きの窓を小さくしたほうがよいですか

窓を小さくする工事は外壁と構造を触ることになり、費用が大きくなります。そのうえ、冬の日当たりと部屋の明るさを失います。多くの場合は、窓の大きさを変えずに、外側で日射を調整するほうが現実的です。

エアコンを買い替えれば足りますか

能力の高い機種にすれば、室温は下がります。ただし熱が入り続けている状態は変わらないため、運転時間が長くなり電気代に跳ね返ります。入ってくる熱を減らしてからエアコンを考えると、小さな機種でも足りることがあります。

まとめ

南向きの窓が多い家が夏に暑くなるのは、窓が熱の入口になっているためです。庇がない、窓の性能が低い、入った熱が逃げない、西日の対策がない、といった条件が重なると、日当たりの良さがそのまま夏のつらさに変わります。

対策はカーテンよりも、まず窓の外側で日射を遮ることです。そのうえで窓の性能、屋根の断熱と順に見ていくと、無駄の少ない改善になります。

夏の暑さだけを見て判断すると、冬の日射まで捨ててしまうことがあります。夏と冬の両方を見ながら、どこから手をつけるかを整理するところからご相談ください。


次回予告

住宅の暑さで意外と見落とされるのが

庇(ひさし)

です。

最近の住宅ではデザインの関係で庇が小さい家も増えていますが、庇は

夏の日射を防ぐ重要な部材

です。

次回は

「庇がない家はなぜ暑いのか?日射を防ぐ住宅設計」

について解説します。

静岡市・焼津市・藤枝市でリフォームのご相談を承っています

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