親の家が「危ない」と言われる本当の理由とは
親の家が危ないと言われるとき、何を指しているのか
実家に帰るたびに、この家は大丈夫だろうかと気になる。親戚や知人から、あの家は危ないよと言われた。そうしたことをきっかけに、ご相談をいただくことがあります。
危ないという言葉には、いくつかの意味が含まれています。地震のこと、冬の寒さのこと、段差や手すりのこと。どれも別の問題ですが、古い住宅ではこれらが重なっていることが多くあります。ここでは順に整理していきます。
地震に対する不安
まず多くの方が思い浮かべるのが、地震です。
判断のうえで目安になるのが建築年です。昭和56年(1981年)5月31日以前に建てられた木造住宅は、現在とは異なる耐震基準で建てられています。さらに、昭和56年6月以降であっても、平成12年(2000年)の基準見直し以前の住宅は、柱と梁の接合部の仕様などで今とは考え方が違う場合があります。
静岡市・焼津市・藤枝市には、この年代の住宅がまだ数多く残っています。ご実家の建築年が分からない場合は、登記の書類や、固定資産税の通知書で確認できることがあります。
なお、静岡市では昭和56年5月31日以前に建てられた木造住宅を対象に、無料の簡易耐震診断が行われています。補強工事についても助成の制度があります。制度の内容や金額、受付期間は年度ごとに変わりますので、検討される際は静岡市の公式ページで最新の情報をご確認ください。
冬の寒さと温度差
地震ほど話題になりませんが、実際にはこちらのほうが日常的な問題になります。
古い住宅では、居間は暖房で暖かくても、廊下、脱衣所、トイレは暖房を入れていないことがほとんどです。この温度差が、高齢の方の体に負担をかけます。
暖かい居間から寒い脱衣所へ移動し、服を脱ぎ、熱い湯に入る。この間に血圧は大きく変動します。冬の入浴時に注意が必要だとされるのは、この変化の大きさによるものです。
静岡は温暖だから心配ないと考えられる方が多いのですが、家の中の温度差という点では別の話です。むしろ寒さへの備えが薄いぶん、部屋ごとの差が大きくなっている住宅があります。
段差、手すり、動線
加齢とともに、今まで気にならなかった場所が負担になっていきます。
玄関の上がり框、廊下と部屋のあいだの敷居、浴室の出入り口。数センチの段差でも、足が上がりにくくなるとつまずきの原因になります。階段の勾配が急な住宅、手すりのない階段も見直したい場所です。
トイレが寝室から遠い、夜間に階段を使わないとトイレに行けない、という間取りも、年齢を重ねると負担になります。
何から手をつけるべきか
すべてを一度に直そうとすると、費用も大きくなり、判断もつかなくなります。順番を考えることが大切です。
命に関わる度合いで言えば、まず耐震です。ただし、耐震改修は費用が大きくなるため、まず診断を受けて現状を知ることから始めます。診断を受けたからといって、必ず工事をしなければならないわけではありません。
日常の負担という点では、冬の温度差への対策が効きます。脱衣所と浴室の寒さを和らげる、窓に内窓を入れる、といった工事は比較的費用を抑えられ、効果を実感しやすいところです。
段差の解消や手すりの設置は、介護保険の住宅改修費の対象になる場合があります。要介護や要支援の認定を受けている方であれば、限度額の範囲で費用の一部が支給される制度です。詳しくはお住まいの市区町村の窓口でご確認ください。
なお、壁を開ける工事が必要になる場合は、耐震と断熱を同時に行うと無駄がありません。別々に行うと、同じ場所を二度触ることになります。
親世代と子世代で意見が分かれること
ご相談の中でよくあるのが、子世代は工事をしたいのに、親世代が乗り気でないという状況です。
親世代からすれば、今の暮らしに大きな不満はなく、お金をかけることにためらいがあります。長年住んできた家を変えられることへの抵抗もあります。子世代が心配して勧めるほど、押しつけに感じられてしまうことがあります。
このようなときは、まず診断や現状確認だけを行うという進め方があります。工事をするかどうかは後から決めればよく、状態を知ること自体には抵抗が少ないものです。数字や写真で現状が見えると、話し合いの土台ができます。
また、寒さや使いにくさといった日常の困りごとから入ると、親世代も自分ごととして考えやすくなります。地震への備えという話から入るより、話が進みやすいことがあります。
まとめ
親の家が危ないと言われるとき、そこには耐震、冬の温度差、段差という三つの別々の問題が含まれています。すべてを一度に直す必要はなく、順番をつけて考えることができます。
まずは現状を知るところからです。静岡市には無料の簡易耐震診断があり、補強工事への助成も用意されています。工事をするかどうかは、状態を知ってから決めれば十分です。
ご実家のことでどこから考えればよいか分からないという段階でも構いません。今の状態を整理するところからお手伝いします。
静岡市・焼津市・藤枝市でリフォームのご相談を承っています
住まいの寒さや暑さ、結露、光熱費、間取りの使いにくさ。こうした困りごとには、住宅側に原因があることがほとんどです。原因がはっきりすれば、手の打ちようはあります。
断熱改修、耐震改修、水回りリフォーム、間取りの変更、中古住宅のリノベーションまで、住宅の性能と日々の暮らしやすさの両方を見ながらご提案しています。何から考えればよいか分からないという段階でも構いません。まずは今の住まいの状態を整理するところからお手伝いします。その場で契約をお願いすることはありません。
かおり木工房(有限会社DAMソウショウ建築)
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