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なぜ家の中の温度差はなくならないのか?住宅構造から見る室温差の本当の原因

住宅の相談を受けていると、非常によく聞く悩みがあります。

それは

「家の中の温度差が大きい」

という問題です。

例えば、

・リビングは暖かいのに廊下が寒い
・脱衣室に行くと急に寒く感じる
・トイレだけ極端に冷える
・2階が暑くて1階が寒い

こうした室温差は、多くの住宅で起きています。

しかしこれは単に「古い家だから」という理由だけではありません。
実は家の中の温度差は

住宅の構造と設計

によって生まれるものです。

この記事では、

・なぜ家の中に温度差が生まれるのか
・住宅構造と室温の関係
・温度差が大きい家の特徴

について解説します。


家は一つの空間ではない

まず理解しておきたいのは、住宅は

一つの空間ではない

ということです。

家の中は

・リビング
・廊下
・脱衣室
・トイレ
・寝室

など複数の空間に分かれています。

それぞれの空間は

・広さ
・窓の数
・外壁の量
・日射条件

が違います。

つまり

熱の出入りが場所によって違う

ということです。

これが室温差の基本的な原因になります。


外壁に接する面積が温度を変える

住宅の温度は

外気との接触面積

によって大きく変わります。

例えばリビングは

・家の中心
・他の部屋に囲まれている

ことが多く、外気の影響を受けにくい構造になっています。

しかし廊下や脱衣室は

・外壁に接している
・窓がある
・空間が小さい

という条件になりやすいです。

そのため

外気温の影響を受けやすい

空間になります。

結果として

リビングは暖かく
廊下は寒い

という状態が生まれます。


空気は暖かい場所から逃げる

もう一つ重要なのが

空気の移動

です。

暖かい空気は軽いため

上に上がる

性質があります。

そのため暖房をすると

暖かい空気は

・2階
・吹き抜け
・天井付近

に集まります。

逆に冷たい空気は

床付近

に溜まります。

その結果

・2階は暑い
・1階は寒い

という状態になります。


窓の性能が温度差を作る

住宅の中で最も熱の出入りが大きい場所は

です。

古い住宅では

アルミサッシ
単板ガラス

が多く使われています。

この窓は断熱性能が低く、

冬は

窓周辺の温度が大きく下がります。

すると

窓付近の空気が冷え

冷たい空気が床に流れます。

これを

コールドドラフト

と呼びます。

これが

・窓際だけ寒い
・部屋の温度が均一にならない

原因になります。


気密性能も大きく関係する

住宅の隙間も温度差に影響します。

隙間が多い住宅では

・外の冷気
・外の熱気

が家の中に入りやすくなります。

特に古い住宅では

C値
5〜10

というケースもあります。

これは

家全体にハガキ数枚分の隙間

がある状態です。

この隙間から

空気が出入りすると

室温は安定しません。


部屋ごとの暖房が温度差を作る

多くの住宅では

部屋ごとに暖房

しています。

例えば

・リビングだけ暖房
・寝室だけ暖房

という使い方です。

この場合、暖房していない部屋は

外気に近い温度

になります。

その結果

部屋ごとの温度差が大きくなります。


温度差が大きい家の問題

住宅の温度差は

快適性だけの問題ではありません。

実は

健康リスク

にも関係します。

例えば冬は

暖かいリビングから

寒い脱衣室に移動すると

急激な温度変化が起きます。

これが

ヒートショック

の原因になります。

日本では毎年多くの人が

入浴中の事故で亡くなっています。

その多くが

住宅の温度差

と関係していると言われています。


温度差が少ない家の特徴

温度差が少ない住宅には共通点があります。

それは

・断熱性能が高い
・気密性能が高い
・窓性能が高い

という点です。

住宅全体の性能が高いと

外気の影響を受けにくくなります。

その結果

家全体の温度が安定します。

また最近は

・全館空調
・床下エアコン

などの方法で

住宅全体の温度を整える設計も増えています。


家の温度差は設計で変わる

住宅の温熱環境は

設計段階で大きく決まります。

断熱性能だけではなく

・窓配置
・気密性能
・換気計画

などを含めて考える必要があります。

これができていない住宅では

どんなに暖房を使っても

室温差はなくなりません。

逆に住宅性能が整っている家では

家全体の温度が安定します。


次の記事

次回は

「家の断熱性能はどこで決まるのか?」

というテーマを解説します。

断熱というと

壁の断熱材ばかり注目されがちですが、
実際には

・屋根
・窓
・床
・気密

など、さまざまな要素が関係しています。

住宅の断熱性能が決まる仕組みを、
住宅構造の視点から解説します。


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