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築30年の窓の断熱性能と最新サッシの比較

断熱材は入っているのに寒い、という家の共通点

断熱材は入っているはずなんですけど、と前置きをしてご相談をいただくことがあります。実際にお住まいを拝見すると、窓が建てたときのまま残っているというケースが少なくありません。

壁の中は見えません。一方で窓は目に見えます。そして家の中で最も熱が出入りしているのは、その見えている窓のほうです。

冬の住宅で熱がどこから逃げているかを見ると、断熱をしていない住宅や古い基準の住宅では、窓や玄関などの開口部からがおよそ半分を占めるとされています。残りは外壁がおよそ2割、屋根と床がそれぞれ1割程度、換気によるものが1割程度という内訳です。

つまり、どれだけ暖房を強くしても、窓が弱いままでは暖めたそばから熱が逃げていきます。壁の断熱材を足すより先に窓を見るべきだと申し上げるのは、この割合によります。

築30年の窓は、どれくらいの性能なのか

1990年前後に建てられた住宅に多いのが、アルミサッシに単板ガラス、つまり一枚ガラスの組み合わせです。

窓の断熱性能は、熱貫流率という数値で表されます。記号はU値で、単位はワット毎平方メートル毎ケルビンです。数字が小さいほど熱を通しにくく、性能が高いことを意味します。

アルミサッシと単板ガラスの組み合わせでは、U値はおおむね6.0前後になります。これは、外の気温の影響をほとんどそのまま室内に伝えてしまう性能だと考えていただいて差し支えありません。

今のサッシとの差

現在よく使われているのは、樹脂サッシにLow-E複層ガラス、ガラスとガラスの間にアルゴンガスを封入したものです。この組み合わせのU値は、おおむね1.3から1.5程度です。

さらに性能の高いトリプルガラスになると、0.8前後という製品もあります。

数字だけでは実感が湧きにくいかもしれません。U値6.0とU値1.3を比べると、同じ面積の窓から逃げる熱の量が、おおよそ4分の1から5分の1になるということです。トリプルガラスであれば、さらに差が開きます。同じ窓という言葉で呼びますが、性能としてはまったく別のものだとお考えください。

なぜアルミのサッシは寒いのか

理由は材料の性質にあります。熱の伝えやすさを表す熱伝導率という数値で見ると、アルミはおよそ200、木材はおよそ0.12です。単位はワット毎メートル毎ケルビンで、桁がまったく違います。

アルミは軽くて丈夫、加工もしやすいため、長くサッシの材料として使われてきました。ただし熱を非常によく伝えるため、外が冷えればサッシの室内側もそのまま冷たくなります。冬の朝、サッシの枠に触れると氷のように冷たいのは、外の寒さがそのまま伝わってきているからです。

樹脂は熱を伝えにくい材料です。同じガラスを使っても、枠が樹脂かアルミかで、窓まわりの寒さの感じ方は変わります。

結露が起きる理由と、窓との関係

窓の結露も、性能と直接つながっています。

空気は温度が下がると、含んでいられる水蒸気の量が減ります。ある温度を下回ると、抱えきれなくなった水蒸気が水に変わります。この温度を露点温度と呼びます。

室温20度、湿度50パーセントの部屋では、露点温度はおよそ9.3度です。窓の表面温度がこれを下回ると、そこで結露が起こります。

アルミサッシと単板ガラスの窓は、外気温が低い日には表面温度が露点を大きく下回ります。だから毎朝びっしょり濡れます。カーテンを開けたら窓の下が水浸し、サッシの下にカビが出る、という状態は、拭き取りの問題ではなく窓の性能の問題です。

窓の性能を上げて表面温度が露点温度を上回るようになれば、結露は起こりにくくなります。窓を替えたら結露がぴたりと止まったというお話をよくいただくのは、このためです。

静岡でも窓の影響は大きい

静岡は温暖な地域だから窓はそこまで気にしなくてよい、と考えられる方がいらっしゃいます。ですが、寒さの感じ方を決めるのは、外の気温そのものよりも、室内と窓面の温度差です。

静岡市・焼津市・藤枝市でも、冬の朝の外気温は0度近くまで下がる日があります。アルミサッシと単板ガラスであれば、その温度はほぼそのまま窓の表面に現れます。暖房で室温を20度にしていても、窓のそばだけ極端に冷たい場所ができます。

部屋全体は暖まっているのに窓際だけ寒い、足元に冷たい空気が流れてくるという体感は、冷やされた空気が窓面に沿って下に降りてくることで起こります。温暖な地域でも同じように起こる現象です。

体感温度が変わる理由

人が感じる暖かさは、空気の温度だけで決まりません。まわりの壁や窓、床の表面温度からも影響を受けます。おおまかに言えば、空気の温度と周囲の表面温度の平均に近い値を体が感じ取っています。

室温が20度でも、窓の表面が5度であれば、窓の近くにいる人の体感はそれより低くなります。逆に窓の性能が上がって表面温度が15度になれば、同じ室温でも暖かく感じられます。

暖房の設定温度を上げなくても暖かく感じるようになる、という変化は、この仕組みによるものです。結果として、暖房の使用量が減ることにもつながります。

窓のリフォームで選べる方法

窓を改善する方法は、大きく三つあります。

ひとつは内窓を追加する方法です。今ある窓の内側にもう一枚窓をつけます。壁や外装を触らないため、一部屋であれば半日から一日で工事が終わることが多く、費用も抑えられます。窓と窓の間に空気の層ができるため、断熱と結露の両方に効きます。

ふたつめはガラスだけを交換する方法です。サッシはそのままに、ガラスを複層のものに入れ替えます。ただしアルミサッシが残るため、枠からの冷えは残ります。サッシの形状によっては入らないこともあります。

みっつめはサッシごと交換する方法です。性能としては最も高くできますが、外壁を触る工事になる場合があり、費用と工期は大きくなります。外壁の工事を予定しているのであれば、同時に行うと無駄がありません。

どの方法が適しているかは、今の窓の種類、部屋の使い方、予算によって変わります。すべての窓を一度に替える必要もありません。寒さを強く感じる部屋から順に進めるという考え方もあります。

まとめ

築30年前後の住宅に多いアルミサッシと単板ガラスは、U値でおよそ6.0、今の樹脂サッシとLow-E複層ガラスはおよそ1.3から1.5です。同じ窓でも、熱の逃げ方に4倍から5倍の差があります。

冬の熱の半分ほどが窓から逃げていること、アルミが熱を伝えやすいこと、窓の表面温度が露点を下回ると結露すること。この三つが分かると、なぜ窓から手をつけるべきなのかが見えてきます。

どの窓から替えるとよいか、内窓とサッシ交換のどちらが向いているかは、住まいの状態によって変わります。今の窓の状態を確認するところからご相談ください。

静岡市・焼津市・藤枝市でリフォームのご相談を承っています

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