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エアコンをつけても寒い家の原因とは?住宅構造に隠れた理由を解説

暖房をつけても暖かくならない家

エアコンの暖房をつけているのに、部屋がなかなか暖まらない。設定温度を上げても、足元は冷たいまま。冬になると、こうしたご相談をいただきます。

エアコンが古いのだろうか、能力が足りないのだろうかと考えられる方が多いのですが、多くの場合、原因は住宅の構造にあります。暖めた熱が逃げ続けている、暖かい空気が上にたまっている、冷たい空気が足元を流れている。この三つが重なっています。

暖めたそばから熱が逃げている

暖房は、部屋に熱を加える機械です。加える熱より逃げる熱が少なければ室温は上がり、同じであれば一定に保たれます。

断熱が弱い住宅では、逃げる熱の量が大きくなります。加え続けているのに室温が上がらないのは、能力の不足ではなく、追いつかない状態が続いているためです。

冬に逃げていく熱のうち、窓などの開口部からがおよそ半分を占めるとされています。残りは外壁がおよそ2割、屋根と床がそれぞれ1割程度、換気によるものが1割程度です。壁の断熱材より先に窓を見るべきだと申し上げるのは、この割合によります。

暖かい空気は上にたまる

暖かい空気は軽いため、上に昇ります。エアコンは部屋の高い位置に取り付けられていることがほとんどなので、吹き出された暖かい空気はそのまま天井付近にたまります。

その結果、天井付近は暖かいのに、人がいる高さや足元は暖まらないという状態が生まれます。温度計を天井近くに置けば設定温度に達していても、床に近いところでは数度低いということが起こります。

吹き出しの向きを下に向ける、サーキュレーターで空気を回すといった工夫である程度は改善します。ただし、これは空気を混ぜているだけで、逃げていく熱の量は変わりません。

窓から冷たい空気が降りてくる

足元の寒さで最も大きな原因が、これです。

アルミサッシと単板ガラスの窓は、外の冷たさをほとんどそのまま室内側に伝えます。窓のそばの空気は冷やされて重くなり、床に向かって降りていきます。そして床を這うように部屋へ広がります。これをコールドドラフトと呼びます。

暖房で暖めた空気が上にたまり、窓で冷やされた空気が下を流れる。この二つが同時に起きている部屋では、頭のあたりは暖かいのに足元が冷たいという、非常に不快な状態になります。

窓際に立ったときに足首のあたりに風を感じるようであれば、これが起きています。

床そのものが冷えている場合もある

足元の冷たさには、もうひとつ原因があります。床そのものが冷えている場合です。

冬の床下の空気は、外気に近い温度まで下がります。床の断熱が弱い住宅では、その冷たさが床の表面に伝わります。

見分け方があります。暖房を止めてしばらくしてから、床に手のひらを当ててみてください。床そのものが冷たければ床の断熱の問題です。床は冷たくないのに足元がスースーするのであれば、窓からの冷気です。どちらが主な原因かで、手をつける場所が変わります。

体感温度という考え方

人が感じる暖かさは、空気の温度だけでは決まりません。まわりの壁や窓、床の表面温度からも影響を受けます。おおまかに言えば、空気温度と周囲の表面温度の平均に近い値を体が感じ取っています。

室温が20度でも、窓の表面が5度、床が13度であれば、体感はそれよりかなり低くなります。逆に、窓や床の表面温度が上がれば、同じ室温でも暖かく感じられます。

設定温度を上げても暖かく感じないのは、空気だけを暖めていて、まわりの表面が冷たいままだからです。断熱を改善すると、設定温度を上げなくても暖かく感じるようになるのは、この表面温度が変わるためです。

隙間からの冷気

気密が低い住宅では、隙間から冷たい外気が入ってきます。サッシの周り、壁と床の取り合い、床下からの配管まわり、コンセントの裏側など、隙間は目に見えない場所にもあります。

暖房で暖められた空気は上に昇り、家の上部の隙間から外へ出ていきます。すると、その分を補うように下部の隙間から冷たい空気が入ってきます。家全体で空気が入れ替わり続けている状態で、暖房の熱はそのまま外へ運び出されます。

隙間をふさぐ工事は、暖かさだけでなく、換気が計画どおりに働くようになるという効果もあります。

改善の順番

費用に対する効果で言えば、多くの住宅で窓が最優先になります。内窓の追加であれば、壁や外壁を触らずに済み、一部屋あたり半日から一日で工事が終わります。住みながら進められます。

窓の表面温度が上がると、コールドドラフトが弱まり、足元の寒さが和らぎます。結露が減る、外の音が小さくなるという変化も同時に得られます。

次に、床と天井の断熱です。床下に入れる住宅であれば、床材をはがさずに断熱材を入れられます。天井は小屋裏から断熱材を追加でき、夏の暑さにも効きます。

そのうえで隙間の処理を行うと、暖めた空気が逃げにくくなります。

すべてを一度に行う必要はありません。寒さを強く感じる部屋から順に進めるという考え方もできます。

まとめ

暖房をつけても暖かくならないのは、機械の性能というより、逃げる熱の量が多いこと、暖かい空気が上にたまること、窓や床から冷気が来ていることが重なっているためです。

エアコンを買い替えても、熱が逃げ続けている状態は変わりません。まず窓、次に床と天井、そして隙間という順で見ていくと、無駄の少ない改善になります。

足元が冷たいのか、部屋全体が暖まらないのか、窓際だけ寒いのか。症状によって原因はある程度絞り込めます。今のお住まいの状態を確認するところからご相談ください。

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