断熱・内窓・遮蔽・気密、全部やるといくら?
― 電気代は本当に回収できるのかを数字で整理する ―
ここまで、
・内窓
・天井断熱
・西日遮蔽
・気密改善
それぞれが電気代にどう効くのかを整理してきました。
では現実的な話です。
「全部やったらいくらかかるのか?」
「本当に回収できるのか?」
リフォームは感覚ではなく、
数字で判断すべきです。
今日はそこを冷静に整理します。
まず前提:築30年前後の家
想定条件は、
・延床30坪前後
・アルミ単板サッシ
・天井断熱100mm程度
・西面に窓あり
・気密ほぼ未対策
この家で夏の電気代が月30,000円前後とします。
① 内窓(全窓)
概算費用:40万〜80万円
(窓数・サイズによる)
補助金活用で実質負担が軽くなるケースあり。
効果:
・冷暖房効率向上
・結露軽減
・体感温度安定
電気代改善目安:
月3,000〜6,000円
年間約4〜7万円。
② 天井断熱の追加
概算費用:20万〜50万円
(施工方法・厚みによる)
効果:
・2階の温度上昇抑制
・夜間停止可能性向上
電気代改善目安:
月2,000〜4,000円
年間約3〜5万円。
③ 西日遮蔽
概算費用:5万〜30万円
(シェード・ブラインド等)
効果:
・夕方ピーク負荷減少
・夜間冷房時間短縮
電気代改善目安:
月2,000〜5,000円
年間約2〜6万円。
④ 気密部分改善
概算費用:10万〜30万円
(範囲による)
効果:
・除湿負荷低減
・ベタつき軽減
電気代改善目安:
月2,000〜4,000円
年間約2〜5万円。
合計するとどうなるか
すべて実施した場合の改善幅は、
月1万円〜1万5千円程度。
年間12万円〜18万円。
10年で120万円〜180万円。
もちろん家の条件で差は出ます。
しかし、
電気代30,000円 → 18,000円台
ここまで落ちる家も実際にあります。
重要なのは“止められる家”になること
改善の本質はここです。
・夜エアコンを止められる
・設定温度を下げなくていい
・除湿が暴れない
この状態になれば、
電気代は自然に安定します。
回収だけで考えてはいけない
「元が取れるか?」は大事です。
しかしそれだけではありません。
改善によって、
・睡眠の質向上
・ヒートショック予防
・カビ・結露抑制
・家の劣化軽減
目に見えない価値が生まれます。
築30年前後の家は、
性能不足だけでなく健康リスクも抱えています。
一気に全部やるべきか?
必ずしもそうではありません。
優先順位を守ること。
- 窓
- 天井
- 遮蔽
- 気密
段階的に進めるのも正解です。
ただし、
順番を間違えると
「やったのに下がらない」になります。
結論
築30年前後の家で電気代が高いのは、
偶然ではありません。
・窓が弱い
・屋根が熱い
・日射が無防備
・隙間が多い
この積み重ねです。
正しい順番で改善すれば、
電気代は現実的に下がります。
10年単位で見れば、
十分回収圏内。
そして生活の質は即日変わります。
ここからが本当のスタート
では、
「自分の家はどこが一番弱いのか?」
そこを知らずに工事をしても、
意味がありません。
次は、
築30年の家はどこを診断すればいいのか?
― リフォーム前に必ず見るべきチェックポイント ―
を解説します。
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