なぜ窓を開けても家の空気は入れ替わらないのか?
窓を開けても空気が動かない家がある
空気を入れ替えようと窓を開けた。それなのに、部屋の空気が変わった気がしない。においが残ったまま、湿気も抜けない。こうしたご相談をいただくことがあります。
窓を開ければ空気は入れ替わる、と多くの方が考えています。ところが実際には、窓を開けただけでは空気はほとんど動かないことがあります。理由は、空気が動く条件にあります。
空気が動くには理由が必要
空気は、押される力がなければ動きません。住宅の中で空気を動かす力は、主に三つです。風、室内と外の温度差、そして機械の力です。
風が吹いていれば、風上側の窓から空気が押し込まれ、風下側から出ていきます。冬であれば、暖かい室内の空気が上に昇り、下から冷たい空気が入ってくる動きが生まれます。換気扇を回せば、機械の力で空気が押し出されます。
逆に言えば、風がない日で、外と中の気温が近く、換気扇も回っていなければ、窓を開けても空気を動かす力が働きません。春や秋の穏やかな日に、窓を開けても空気が変わった気がしないのは、このためです。
入口はあっても出口がない
空気が動かない最も多い理由が、これです。窓を一か所だけ開けている状態です。
空気が流れるには、入ってくる場所と出ていく場所の両方が必要です。一か所しか開いていなければ、入ろうとする空気と出ようとする空気が同じ開口でぶつかり、流れになりません。ペットボトルの口を上にして中の水を出そうとしても、なかなか出てこないのと似ています。
二か所開ければ空気は流れます。このとき、できるだけ離れた場所、できれば家の反対側の窓を開けると効果が高くなります。同じ壁面にある二つの窓を開けても、空気の入れ替わりは限られます。
高さに差をつけるのも有効です。低い位置と高い位置の窓を開けると、暖かい空気が上から出て、冷たい空気が下から入る流れが生まれます。階段の上と下の窓を開けると空気が動きやすいのは、この仕組みによります。
間取りが空気をせき止めている
窓を二か所開けても、そのあいだに扉や壁があれば、空気はそこで止まります。
廊下を挟んで反対側の部屋の窓を開けたつもりでも、あいだの扉が閉まっていれば、空気の道はつながっていません。マンションのように、一方向にしか窓がない間取りでは、そもそも対角に開ける窓がないという場合もあります。
家具の配置も影響します。窓の前に背の高い家具が置かれていると、風の通り道がふさがれます。カーテンやブラインドも、閉じていれば流れを弱めます。
機械の換気と窓を開ける換気は別のもの
ここで整理しておきたいのが、窓を開ける換気と、24時間換気の関係です。
平成15年(2003年)の建築基準法改正以降に建てられた住宅には、24時間換気の設置が義務づけられています。これは、窓を開けなくても常に一定量の空気が入れ替わるようにするための仕組みです。壁についた給気口から空気が入り、浴室や洗面所の換気扇から出ていきます。
この仕組みが正しく働いていれば、窓を開けなくても空気は入れ替わっています。逆に、給気口が閉じられていたり、換気扇が止められていたりすると、窓を開けたときしか空気が動かない住宅になります。
窓を開けても空気が変わらないと感じている住宅では、まずこの給気口と換気扇を確認してみてください。給気口が全部閉じている、換気扇のスイッチが切られたまま、というお宅は実際にあります。
空気が動いているか確かめる方法
目に見えないものなので、確かめる手立てがあると判断しやすくなります。
ティッシュを一枚、窓や給気口にかざしてみてください。空気が動いていれば、わずかでも揺れます。まったく動かなければ、そこでは空気は流れていません。
換気扇を回した状態で、給気口に手をかざして風を感じるかどうかも確認できます。何も感じなければ、給気の経路のどこかで止まっている可能性があります。
線香の煙を使う方法もありますが、火を使いますので、ティッシュのほうが手軽で安全です。
リフォームで改善できること
窓を開けても空気が動かない住宅では、いくつかの手立てがあります。
まず、給気の経路を整えることです。給気口の位置や数が部屋の使い方に合っていない場合、追加したり位置を変えたりすることで、空気の流れが変わります。
次に、家の中の空気の道をつくることです。扉の下に隙間を設ける、通気のための小窓を設けるといった方法で、閉めきった部屋にも空気が通るようになります。
換気方式そのものを見直す選択もあります。給気も機械で行う方式にすれば、風や温度差に左右されず、計画した量の空気を取り込めるようになります。花粉やほこりをフィルターで減らせる利点もあります。ただし設備の入れ替えは費用も工事規模も大きくなるため、まずは今の仕組みが働いているかを確かめることが先です。
あわせて考えたいのが気密です。隙間が多い住宅では、空気があちこちから入るため流れが定まりません。隙間をふさいで入口を給気口に集約すると、意図した道筋を空気が通るようになります。
静岡の住宅で気をつけたいこと
静岡市・焼津市・藤枝市では、夏の湿度が高く、空気が動かない部屋に湿気がこもりやすくなります。押し入れの奥や北側の部屋でカビが出るというご相談は、空気が動いていないことと重なっていることがよくあります。
冬は冬で、給気口を開けると寒い風が入るため、閉じたままにしているお宅が多く見られます。気持ちはよく分かりますが、そのぶん空気は入れ替わりません。断熱を整えてから換気を考えると、給気口を開けたままでも寒くならず、無理なく続けられます。
まとめ
窓を開けても空気が入れ替わらないのは、空気を動かす力が働いていないか、入口と出口がそろっていないか、あいだの道がふさがれているためです。
窓は二か所、できるだけ離れた位置、高さに差をつけて開ける。そのうえで、給気口と換気扇が正しく働いているかを確かめる。ここまではご自身でできます。
それでも変わらないようであれば、住宅側に原因があります。どこで空気が止まっているのかを確認するところからご相談ください。
静岡市・焼津市・藤枝市でリフォームのご相談を承っています
住まいの寒さや暑さ、結露、光熱費、間取りの使いにくさ。こうした困りごとには、住宅側に原因があることがほとんどです。原因がはっきりすれば、手の打ちようはあります。
断熱改修、耐震改修、水回りリフォーム、間取りの変更、中古住宅のリノベーションまで、住宅の性能と日々の暮らしやすさの両方を見ながらご提案しています。何から考えればよいか分からないという段階でも構いません。まずは今の住まいの状態を整理するところからお手伝いします。その場で契約をお願いすることはありません。
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