なぜ夜になると湿度だけが下がらないのか?
― 温度は下がるのに、空気が重い家の正体 ―
夜になった。
外気温は下がっている。
昼間よりは涼しいはずなのに、
なぜか空気が重い。
ベタッとする。
温度計は27℃。
でも体感はもっと暑い。
「夜は涼しくなるはずなのに…」
築30年前後の住宅でよくあるこの現象。
原因は偶然ではありません。
温度と湿度の“動き方の違い”を理解していない家に起きる現象です。
今日はこの仕組みを、
静岡の気候・断熱性能・電気代まで含めて整理します。
まず大前提。
温度は下がっても、
湿度は自動的に下がるわけではありません。
湿度には2種類あります。
・相対湿度
・絶対湿度
夜になって気温が下がると、
相対湿度は“上がる”ことがあります。
なぜか。
空気が保持できる水分量は、
温度が低いほど少なくなるからです。
つまり、
同じ水分量でも、温度が下がると湿度は高くなる。
これが夜のベタつきの第一の理由。
では、その水分はどこから来るのか。
築30年前後の住宅では、
主に3つの供給源があります。
① 外気
② 床下
③ 室内発生(水蒸気)
静岡の夏は湿度が高い。
夜でも外気の絶対湿度は高いことが多い。
気密が弱い家では、
夜になると涼しい風と一緒に湿気が侵入します。
窓を開ければ、
温度は下がる。
しかし湿度は入る。
「涼しいけどジメジメ」
この正体は外気湿気です。
次に床下。
築30年前後の家の多くは床断熱。
基礎内は外気と連動しやすい。
防湿シートが不十分なケースもあります。
地面からの湿気が床下に滞留し、
夜間の温度低下とともに上昇する。
特に無風の夜は空気が滞留しやすい。
結果として、
1階の床付近が湿っぽくなる。
三つ目は室内発生。
人は寝ている間に
コップ1杯以上の水分を放出します。
家族4人なら約800ml。
それが寝室に滞留する。
温度が下がると、
湿度は上がる。
除湿が止まっていれば、
空気はどんどん重くなる。
ここでエアコンの使い方が影響します。
夜は冷房を弱める。
あるいは切る。
すると除湿機能も止まる。
温度は下がるが、
水分はそのまま。
結果、
「涼しいのに不快」
という状態になる。
断熱不足も大きな要因です。
断熱が弱いと、
外壁や窓の表面温度が外気に近づきます。
夜間に外気温が下がると、
室内側表面も冷える。
湿気が触れると、
微細な結露が発生する。
目に見えなくても、
空気は重くなる。
気密不足も関係します。
C値が大きい家では、
夜間に外気が侵入しやすい。
昼間は冷房で押し出されていた湿気が、
夜は逆流する。
冷気は重く下に溜まり、
湿気も同時に滞留する。
ここで電気代の話。
夜の湿気が高い家では、
・除湿機を追加
・再熱除湿を使用
・夜間も冷房継続
結果として消費電力が増える。
築30年前後の住宅で
「夜の電気代が高い」家庭は、
この湿度問題を抱えているケースが多い。
本来、性能が整った家では、
・気密が高い
・断熱が十分
・計画換気が機能
夜になっても外気の影響を受けにくい。
湿度も安定する。
冷房を弱めても、
空気は軽いまま。
改善の優先順位はこうです。
① 気密改善
② 窓性能向上
③ 床下環境改善
④ 換気計画の見直し
⑤ 屋根・外壁断熱強化
特に気密。
隙間を減らすことで、
外気湿気の侵入が抑えられる。
除湿効率が上がる。
設定温度を下げなくても快適になる。
夜になって湿度だけが下がらない家は、
・外気侵入
・床下湿気
・断熱不足
・気密不足
・換気不全
が重なっています。
これは除湿機の問題ではありません。
家の構造の問題です。
築30年前後の住宅は、
改善余地が非常に大きい。
夜の湿気が安定すれば、
・睡眠の質が上がる
・朝のだるさが減る
・冷房負荷が下がる
・電気代が安定する
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次は
「なぜ朝になると窓だけがびっしょり濡れているのか?」